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小説 第一章(ALL:4)
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[2] 名前:カマ 第二章:2007/11/12 15:6
  第二章「はじめての戦い」
息切れをしながら、シムザは歩き続けていた。
歩き続けてもう三時間。早朝から出発したが、気づいたら、もう昼になっていた。
最初は最強の冒険者になるとこころを弾ませていたが、気づいたらもうバテバテだ。
「ちょっと・・・休憩・・・。」シムザは腰を下ろした。山を越えるまで、まだまだありそうだ。シムザは水筒を取り出した。シムザの渇いた喉が潤う。
「ああ・・・・・。」シムザは地面に寝そべった。
青空の光と鳥が飛び交う・・・。夢心地だ。
しかし、シムザはすぐに飛び起きた。すごい臭いがする・・・。
この臭いは・・・。今までなぜ気づかなかったのだろう。
汗のにおいで気づかなかったのか・・・・。
この生臭い臭い・・・。・・・。血だ!!!!!
シムザは臭いのする方へ走っていく。
走った先には・・・・。やはり・・・。人が倒れていた。
幼い少年だ。血を流し倒れている。
「だ・・・大丈夫か?」シムザは駆け寄ったが、彼は息切れをして、うっすらと目を開けていた。
「何があった?」シムザは寝袋は取り出した。
「すぐ直すから!」・・・・。おかしい。少年の傷は治らない・・・・。
そうか・・・。もう手をくれなのか・・・。
少年はゆっくりと口を動かす。
「P・・・・PKに・・・。やられた。俺はもう・・・。駄目だ・・・。」
「PK?」おかしい。まだ出会いの草原まで超えていないのに人に襲われるなんて!
「誰にやられたんだ!」
「紅・・。紅蓮・・・。」
「紅蓮?」どこかで聞いたことがある名前・・・。
シムザは思い出した。もう三年前の話だ。旅立ちの町のはるか東にある町。
「自由と正義の町」あそこの東の森「テーロス」で起きた連続殺人事件。
砂漠へ冒険していたクルー24名が惨殺されたまま放置されていたおぞましい事件・・・。犯人は逃亡したが、被害者にあったクルーの一人が死ぬ前に、犯人の名前は証言した・・・。そいつは・・・。あの紅蓮・・・。
なぜ奴がここに???シムザの背筋はが凍り付いた。
このどこかに・・・。奴がいる・・・・。
「・・・。気・・・。気をつけて・・・。奴が・・・。」
幼い少年は息を引き取った。少年の死体が透明になって消えていく。
恐怖とともに怒りがシムザの心をおおった。
すると、後ろの方で人の気配がした。
「うわぁ!!!」シムザは大声をあげて後ろをふりかえって、後ずさる。
そこにいたのは若い女の人・・・。だが身なりは殺し屋のように、黒いマントをきている。シムザが震える口できいた。
「だれだ・・・おまえ・・・。」
若い女の人は、シムザの様子をしばらくうかがっていたが、やがてため息をつき
口をひらいた。
「私?私の名前はヘンリエッタ、それよりここにPKいなかった?」
「え・・・・。」
「んー・・・。」ヘンリエッタは頭を手で押さえ。目をつぶり黙り込んだ。
「・・・。遅かったか。・・・。この覇気は・・・。紅蓮か・・・。」
シムザは黙って見つめる。
「・・・。もうここにはいないか・・・。」
ヘンリエッタははぁとため息をつく。
「あの・・・・何やってるんですか?」とシムザ
「ん?何って覇気探りよ。」
「?」
「しらない?強い人は覇気があるの。覇気が強い人を私は探してる。」
「え・・・なんで?」
「当たり前じゃない。殺すためよ。」
「え・・・・。」シムザの顔が青ざめる。
「安心してよ、あんたの覇気は全然感じられない。初心者でしょ?
私、強い人じゃないと戦い楽しめないから。」
シムザは信じられない顔でヘンリエッタを見た。
殺しを楽しむ?ありえない・・・。なんておぞましい!
「えっと、紅蓮もいないみたいだし・・・。じゃあ、さよなら。」
ヘンリッタは軍車を取り出した。
その瞬間・・・・。二人の後ろから獣の声が聞こえた。
「ガルルル・・・。」
シムザにはガーゴイルとゴブリンが前からやってきた。
ヘンリエッタにはドラゴンが三体とケンタロスが二体やってきた。
「え・・・。」シムザの顔がまた青ざめた。
「死体の臭いをかぎつけたか・・・。」ヘンリエッタは血で渇いた一撃の剣を抜き取る。そして次の瞬間、彼女は消えケンタロスの首がはねとばされた。
グシュ!鈍い音と共に、ケンタロスの首が地面におちる。
なんて早さだ。
ヘンリエッタは宙を舞うとドラゴンにそのままつっこんだ。
「ガオオオオオ」ドラゴンが雄叫びをあげ、口に閃光をためる。
ドガーーーーーーン!大きく響きわたるとともに、ドラゴンの口からドラゴンブレスがヘンリエッタに激突する!
ヘンリエッタは「く・・・。」と唇をかみしめ、地面にたたきつぶされるのを防ぐ。
ヘンリエッタは体勢を整えると、一撃の剣を握りしめ。
呪文を説いた。「杓死せよ」その言葉が最後だった。
彼女はかき消され、一瞬にドラゴンとケンタロスを細切れにした。
モンスターとはいえ、やりすぎた。グシャアーーーーー!
あたりは血まみれだ。
シムザが呆然としていると、いきなり誰かに殴られた。
バキ!!!鈍い音とともに、シムザは倒れ込む。
あのガーゴイルだ。「く・・・。畜生・・・。」
ヘンリエッタは黙ってみている。助けてくれないのか?
バギ!!!!次はゴブリンに殴られる。
「た・・・助けて・・・。」シムザの腹から血が流れた。
ヘンリエッタは、「そんな雑魚も倒せないなんて、冒険者失格よ。
助ける義理もない。私は戦いを楽しむ。あなたは恐がりなだけ。
自分で抜け出してみなさいよ。私はいくから。」
ヘンリエッタは軍車を広げ、空に舞い上がった。
「畜生・・・。」シムザは去っていく、軍車を見上げたが、また敵に視線を戻す。
(このままだと殺される・・・。)シムザは神風の剣を手に握りしめた。
(戦うしかない・・・・。にげちゃ駄目だ・・・。)
「うあああああ!」シムザは叫び声をあげてゴブリンに剣を振り上げた。
ブシャ!鈍い響きとともに、ゴブリンの腕が地面におちる。
「ウガアアアア!」ゴブリンはギロリとシムザをにらむと、
左手で石の斧を持ち上げ襲ってくる。
「うああ!」剣と斧がぶつかる。
シムザはすぐに剣を振り払うと、すぐさま剣をゴブリンのあたまに突き刺した。
ゴブリンの頭から血が吹き出る!(やった・・・)
ほっとシムザがしたのもつかのま、大きな爪がシムザの肩を切り裂いた!
「うああああ!」シムザは悲鳴をあげる。
ガーゴイルがうれしそうに、ニヤリとわらって爪の血をなめた。
「うぐ・・・。」シムザの肩から血がふきでる。
真っ赤な血・・・。俺は死ぬのか・・・。
考えてみれば、俺はいつも恐怖にふしてる・・・。
強がっているだけ・・・・。戦いが怖くてしかたのない戦士なのか・・・。
ガーゴイルにまたなぐなれ、その反動にシムザは岩に激突した。
視界が真っ赤に染まる。そうか・・・・。俺は・・・。死ぬんだ。
                 第三章をつづく?
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