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小説 第一章(ALL:4)
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[1] 名前:カマ 第一話:2007/11/12 15:5
  「スペルバンドヒーローズ」
           作者 カマ
第一部「出会いの草原突撃編」
第一章「旅立ち」
この話ははるか昔に先のぼる。
ここは旅立ちの街、夢みる冒険にあこがれた人たちが集う街。
その街にやってきた少年シムザは胸を躍らせていた。
「ここが旅立ちの街かぁ!」シムザは目を丸くし、街を見て回った。
(まずはショップへ行って、武器を買わなきゃな)
シムザはショップへと足を踏み入れる。
「いらっしゃい!何が欲しい?」五十歳くらいだろうか?おじさんがこちらにやってきた。「えっと武器と防具ください!」シムザがそういってポケットからサイフを取り出した。入っていたのは30ベル・・・。
「えっと30ベルでなにか買えるものありますか?」とまどいながらシムザは答える。
「30ベルかい・・?」家主は顔を曇らせた。
(やっぱり駄目か・・・、この街まで来るのに、たくさん金使っちゃったからな。)
シムザは頭をさげる。
家主は落ち込んでいるシムザの様子を少し眺めると、やがて答えた。
「しかたねぇ・・・。こっちこい。」
家主に案内され、二人は古い物置に入っていった。
家主は答える。「俺も昔・・・。この街で冒険してたんだ。」
「え?」
「もう昔の話だ。俺は自分でいうのも何だが、強かった。」
シムザは黙って耳を傾ける。
「今はこの通り酒場を営んでるがな。」
「そうなんですか・・・。」
「おまえも見てると、昔の自分を思い出す。だからおまえに特別の剣をやる。」
「え・・・・?」
「ここでまってろ。」家主はシムザを残し、さらに奥へと入っていく。
「よいしょっと。」五分くらいで家主がほこりまみれになって戻ってきた。
長い筒をもっている。
「なんですかこれ?」シムザが筒を見回す。
「なかあけてみろ。」家主が筒をシムザにわたす。
シムザは受け取ると、そっと中をあけた。
中に入っているのは長剣が一つ、はいっていた。
「これは・・・・?」
「名前は神風の剣。攻撃力もワザもかなり強い。」
「本当?」
「ああ、だが今のお前では使いこなせないだろう。」
「え?」
「その剣は戦いを繰り返す事に強くなる。」
「すごい・・・。でもなんで俺に?」
家主は鼻で笑った。
「おまえは俺のこどもの時に似てる。絶対に偉業をこの世界で成し遂げるだろう。」
「・・・?」シムザはただ首をかしげる。
するといきなり、大きな振動が起こった。
ゴゴゴゴゴ・・・・・。
「なんだ?」シムザが拳をにぎる。
家主とシムザが外の様子をみると、たくさんの人の声が聞こえる。
大半の声は叫び声だ。
「なにがあった?」家主が逃げまとう一人の青年の肩をつかんだ。
青年ははっと、家主の腕を振り払った。
「はなせ!!!!」家主は話さない。
「この街になにがおきてる?」
青年はしかたなくこたえた。
「モンスターだ!あいつらがこの街を襲ってきた!出会いの草原の方角からきた!
もう死人もでてる!」
「モンスターだと!なぜだ?なぜここにくる?」家主が頭をおおった。
青年は「あんたたちも逃げろ!殺されるぞ!」といって走っていってしまった。
「どうしたんだ?なにが起こってるんだ?」シムザはただ呆然とその場に立っていた。
「・・・・しかたぬ・・・。」家主は家からバスターソードを手にとった。
「おい、おまえの名前は?」
「え・・・・シムザ。」シムザはとっさに答える。
「いいか、シムザ。俺はモンスターを倒しに行く!おまえも逃げろ!」
「え・・・戦うの???」
「ああ、そうだ。じゃあな!」家主は走っていく。
「待って!あなたの名前は?」
家主は振り向いて、大声でいった。「イヨベ・トールだ!」
そしてまた走っていく。
「剣ありがとう!」そうシムザは叫んだが、もうイヨベはいなくなっていた。
(逃げないと・・・。)シムザはとっさに走り出した。
(なぜここにモンスターがくる???モンスターは出会いの草原からでれないんじゃないのか?)頭の中で次々と疑問がうかぶ。
「ガルルルル・・・・。」
シムザは足を止めた。
なんてことだ・・・。シムザの視界にいるのは、ケンタロスだ。
斧を光らせ、よだれを地面にボタボタと落としながら、ゆっくりこちらにやってきた。
(悔い殺してやるよ)ケンタロスの目がシムザに向かってそういっているようだ。
「ガアアアアアア!」大きな雄叫びとともに、斧がシムザに襲いかかる。
ガキン!金属と金属の音がぶつかる鈍い音が、シムザの耳に聞こえた。
ケンタロスの斧が太い剣と重なっている。誰かが守ってくれたらしい。
「大丈夫?」そこには竜騎士の少女が立っていた。
「ちょっとどいてて。」少女はシムザを後ろへ押すと、ケンタロスの斧を振り払った。
少女は剣をケンタロスに構えると、大声で呪文らしきものを唱えた。
「射殺せ、竜の牙よ!」
少女の呪文とともに、剣の先から大きな竜がでてきた。
その竜はそのままケンタロスに激突し、大きな爆音とともになぎ倒した。
ブシュ!気がついたらケンタロスの上半身が消し飛んでいた。
「・・・・・。」シムザはただ呆然と立っていた。
あんな少女がケンタロスを消し飛ばすなんて・・・・。
「大丈夫?」少女がもう一度、シムザに呼びかけた。
「あ・・・。うん。」シムザはやっとのことで腰を上げた。
「あなたは?」
「ん?わたし?わたしはハルヒ。よろしくね。」
「あ・・・うん。」
「じゃあわたし行くから。なんか出会いの草原からモンスターが出てきたんでしょ?」
「え・・・。あ、そんなこといってたかも・・・。」
シムザはただ棒読みで答えを返す。
ハルヒはため息をついていった。
「どうなってるのかしら?ここにモンスターがくるなんて・・・。
やっぱり、この世界がおかしくなってるのかな?」
「・・・?」シムザはただ首をかしげた。
「えっと〜。まあ、わたしさきいってる。奴らをくいとめなきゃ。じゃね。」
ハルヒはまた呪文をとなえるとさっと消えた。
「・・・・。」シムザは一瞬のできごとにただ呆然としていた。
「おい!きみ!」今度はシムザの左側から声が聞こえた。
「あなたは・・・。」さっきの逃げまとっていた青年だ。
「こっちだ。あの洞窟にかくれるんだよ。急ごう!」
青年に手をひっぱられ、シムザは洞窟に連れて行かれた。
洞窟にはすでにたくさんの人でうまっていた。
大半の人は幼いこどもやその母親の人たちだ。
シムザはその洞窟でゆっくりと考えた。
「俺は逃げてばっかり、イヨベさんや、あのハルヒさんは勇敢にこの街のために戦っている。俺にもなにかできればいいのに・・・。」
洞窟にはいって三時間だろうか?
洞窟にイヨベさんがやってきた。肩から血を流している。
「奴らをくい止めた。街にもどれるぞ。」
シムザたちは、再び街に戻った。
その次の日。
朝一番の光をあびて、シムザはあの高い山へと歩き出した。
(昨日、俺は全くやくにたてなかった。俺も強くなって、あの街を守ることができればいいのに・・・・。)強くないたい!
あの高い山をこえれば、出会いの草原が広まっている。
シムザの神風の剣が黄金の様に輝く。
シムザの冒険が今ここに幕をあけた。
                         第二章へ続く?
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