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SBH小説スレッド(ALL:7)
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[5] 名前:ワニ:2008/10/30 10:50
  *第一章-運命-


老人の名はショッホ。
今年で100歳になる。

ここを訪れてから、かれこれ4時間は経っただろうか。

ショッホ『君は、えーと、シメンと言ったかのう』
腕を僅かに上げ、私を指差す。
テリエ『違いますよ、ショッホさん。オレはテリエだって、何回も言ってるじゃないっすか〜』
更に続けて言う。
テリエ『そこでふて寝してんのがシメンっすよー、、なぁ?』
シメンはだるそうに顔を上げ、頬杖をすると答えた。
シメン『あぁ』
それだけ言うと、再びテーブルに顔を埋める。
ショッホ『そうか。悪かったのう、シメン君。それで、わしの話は役に立ちそうかね?』
テリエ『えぇ、参考になりそうです。』
歴史に興味の有るテリエは、今回レポートを作成しようと考えここを訪れたのだ。
シメンはその付き添い、つまらないに決まっている。
テリエは少し窓をチラっと見ると続けた。
テリエ『でも嘘みたいっすね。こんな小さな町に、そんな過去があるなんてさ…』
ショッホは一息置いて答える。
ショッホ『わしもまるで夢を見ていたようじゃ。わしらは二度と同じ過ちを犯さぬようにせねばな…』

ザッ。

シメン『もう帰ろうぜ〜?』
既に大きなバッグを肩にかけ、帰り仕度を終えたシメンが言う。
少し戸惑ったが答えた。
テリエ『…だなっ』
シメンに急かされるように立ち上がると、軽く頭を下げて言う。
テリエ『ショッホさん、色々お話し聞けてよかったっす。ありがとうございました!』
ショッホは微笑み、答えた。
ショッホ『気をつけて帰るんじゃぞ。街の中は安全だが、まだモンスターだっているからな』
再び軽く頭を下げ、100メートル近くある廊下を進み、巨大な扉を開けて外へ出る。

階段を下るとガーゴイルの石像に気を取られ、軽く振り返る。
ここは街の図書館だ、あの老人は館長を務めている。
80年前、街の復旧が進む中、ショッホの提案で建てられたものだ。
茶色い屋根が妙に古めかしい。

シメン『なー、テリエ。あんな話し聞いてどーすんだよ?』
疲れきった顔でシメンが聞く。
テリエ『お前は興味無いかもしんないけどなー。あんな貴重な話し、なかなか聞けないぜー!?』
シメン『ふーん。』
興奮するテリエを余所に、相変わらずの顔で素っ気無い返事をする。

日もすっかり落ちている。
暗闇の道を街灯と月の光が照らす。
疲れきったシメンと、未だ興奮が収まらないテリエは、ただ黙々と歩く。
それから、丁度15分程歩いた頃だ。


キャァァー!!!!

テリエ・シメン『!?』
突然の甲高い声にビクっとする。
シメン『何だ今の!?』
テリエは咄嗟に後ろを振り返り、叫ぶ。
テリエ『図書館の方からだ、行くぞ!!』
言うと同時に歩いてきた道をいっきに掛け戻る。


                                To be continued
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